小学生の男の子に、ジャグリングのレッスンを届けました。
ご自身で動画を見て練習してみたものの、今ひとつコツが掴めない。「2個ならできるかな……」という状態なので教えてほしい、とのことで今回伺いました。
まずは観察です。
1ボールのメニューで、ボールの扱いにどれくらい慣れているのかをチェックします。
- ボールを投げる動作には慣れているか?
- 左右の手の差はどれくらいあるか?
- リズムよく、ボールを扱えるか?
- ボールとの距離を測って扱えているか?
不慣れな部分についてはポイントを伝え、練習を重ねてもらいました。その中で、今回は2つの課題が見えてきました。
一つは「左手」です。
利き手ではない方は、普段の使用頻度が少ないため、いわば「神経が通っていない」状態にあることが多いのですが、適切に刺激を与えることで少しずつ繋がっていきます。 今回は、左手に持ったボールを「握る・放す」と繰り返すことで、まず感覚を掴んでもらいました。簡単な動作から慣れていくことで、スムーズに投げる・捕るための土台が作れます。
ここでジャグリングの効能について触れておきます。
ジャグリングは利き手でない方も多用するため、右脳と左脳を繋ぐ「脳梁(のうりょう)」が刺激されます。利き手でない方を少しずつ使うことで、右と左が繋がり、それが思考の柔軟性や算数などの論理的思考に良い影響を与えるという説もあるのです。
さて、もう一つの課題は「空間認識能力」でした。
飛んでくる物体の軌道を瞬時に計算する能力ですが、端的に言うと「ボールを見ない」ために、捕れなかったり、思いもよらない方向に飛んでしまったりしていました。 そこで、まずはボールや投げる場所をしっかり見てもらうことにしました。すると、少しずつボールとの距離を測れるようになり、体がボールと連動して動くようになりました。 こうした能力は、球技全般や日常生活での危険回避能力にも直結します。
練習中、彼が真剣な表情で諦めずに投げ続ける姿が見られました。「失敗」にめげることなく集中して取り組む姿には、私も感心させられました。 少しずつ「できる」に近づいていることを本人も実感していたのでしょう。取り組む姿にどんどん熱がこもっていきます。
そして、成功した時の笑顔。
これこそが講師としても、最も嬉しい瞬間です。
ジャグリングにおいて「落とすこと」は失敗ではなく、次に繋がる「データ」です。何度も落としながら少しずつキャッチが増えていく過程は、自己効力感(自分はやればできるという感覚)を育む最高の教材になります。 また、このように「落としても拾い、また投げる」というプロセスは、困難に直面しても立ち直る「レジリエンス(回復力)」を養ってくれます。
レッスンの終わり際、保護者の方に「どうしてジャグリングを?」と質問すると、「集中力を養えるかな、と思って」との答えが返ってきました。
はい、ジャグリングの効能として、それはまさに正解です!
ジャグリングは繰り返しの練習により、余計な雑念を払い、一つのことに没頭する力が養われます。
実は、私がジャグリングを始めたのは受験生の時でした。私自身、ジャグリングが集中力に良い影響を与えることを肌で実感しています。
最後に、今回のレッスンを振り返ってみます。
始まった時は1つのボールから。それが1時間の練習を経て、最後には3つのボールをしっかりと投げ上げる姿へと劇的な変化を遂げました。 連続して続ける難しさにも折れず、投げ方のコツを必死に掴もうとする姿勢は、まさに「集中力」そのものでした。
レッスン後、保護者の方からいただいたメールには「楽しかった!」という感想が綴られていました。
その言葉は、壁を一つ乗り越えた本人にしか味わえない、本物の達成感に満ちているように感じました。
今日は「楽しく」「集中した」時間となりました。
習慣化することで、ジャグリングを通して「集中する感覚」を身につけていってもらえたらと願っています。
レッスンの受講、ありがとうございました。
これからも、良いジャグリング習慣を!